みそを仕込みました。
仕事ではなく私事です。
津軽藩の城下町に商いを始め、
中村醸造元は実は醤油よりも味噌を先に手がけていました。
『津軽味噌』といわれている津軽一帯の味噌の発祥でした。
なんていうと昔取った杵柄(きねづか)という感じでかっこ悪い。
今は自社工場では仕込んでおりません。
私が子供の頃は、味噌もまだ自宅裏の工場で作っていました。
大量に蒸しあがった大豆の、もわっとした匂いとか
大釜を開けた時の湯気が空気に混じっていく感じが
その頃の記憶と渾然一体となって思い出されます。
『手前みそ』とはよく言ったもんですね。
大学の実習では十数班がそれぞれ仕込むから
材料も分量も同じなのに、少しづつ醗酵加減の違う味噌が十数種類仕上がります。
皆自分のがいちばんうまい、と譲らない。
小学生の自慢大会のように、他愛もなく言い合ったのでした。
そういえば面白い『手前みそ論』も聞いたことがあります。
自分で手をかけたものはすばらしいという心理的な要素だけではなく、
文字通り自分の手垢のついたものには親和性があるから実際に美味しく感じる、
という仮説です。実証されたかどうかは知りません。
さて、農大時代の実習や知人の農家のみそ作りの手伝いということはありましたが
うちでのみそ作りは初めてです。
今回は大豆1キロ、米麹1キロ、塩450グラム。初心者のお試しコース的に。
滞りなく仕込み終わり、後は6月頃にカメを開けてのお楽しみ!
『手前みそ』なご報告をすること請け合いです。
お楽しみといえば、大豆がゆで上がるたびに
マメ好きの子どもたちにはゆで大豆のおこぼれが。
ゆでただけの大豆も、つぶして丸めた大豆団子もいいおやつ。
私もそれが目当てで工場にいたずらに行っていたことを、
大豆の匂いとともに思い出したのでした。




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