ナカムラ家の正月料理の定番に
金柑(きんかん)の蜜煮があります。料理というか箸休めですね。
これは長男のお気に入り。
蜜煮だから甘いし、加えて金柑の大きさと形、色、すべてにフォトジェニックな感じが
彼のおメガネにかなったのでしょう。
というわけで、3歳からやっている煮干裂きの手伝いは
このところめっきり人気がなくなってしまったのに、
この蜜煮を作る手伝いは大人気。
味噌汁用の煮干と違って、年に一度、というせいもありますが、
それよりも息子の好みの傾向を知ってしまった親父としては
金柑のビジュアルな魅力によるところが大きいのだと確信をもつのであります。
さて、年の暮れのある日、この手伝いの場面を目撃しました。
蜜煮の何を手伝うかというと、
果皮が割けて形が崩れないように、予(あらかじ)め針で穴をたくさんあけておくのです。
さすがに小学生、針を渡されれば
後は自分の手を刺そうが自己責任。
そうだよな、頼もしくなったな、と見ておりました。
が、そこに・・・
ボクもボクも、と2歳の弟が参戦してくるではありませんか。
私だったら別のオモチャで釣って気持ちを逸らし、やらせなかったでしょう。
泣かれたら面倒だし、
手ならまだしも振り回して目にでも刺して病院に連れて行く羽目にでもなったら
とんでもない。暮れのこんな時期に!
ところが、ヤツラに対しては百戦錬磨の家人は平然と はいよ と
2歳児にマチ針を渡すのです。おいおい!
そして利き手に針を握らせ、反対側の手の指を軽く刺させたのです。
「イタイーー!」でしょ。だから気をつけなさいね。
それから家人は大胆にも子供たちに背を向けて台所仕事を続けました。
その先は2歳児の食育はお兄ちゃんの担当です。
何せ大事な金柑の手伝いだから、後輩の指導にも張り切ります。
「ほら、こうするんだよ、ね。」
「もっといっぱい刺さなきゃ。」
「いたいいたいしないでね。」
そのうち兄も2歳児の限界に気づき、
「じゃ、やったらここにおいておいてね。お兄ちゃんが仕上げするからね」
なんていう工程を考え出したのでした。
後で聞くと家人も背中に意識を集中してハラハラ。
見ていられなくて背中を向けてた、とか。
なるほど...。




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