さて、天ぷら大好きな私、
高校三年生の秋、無事大学に合格し
親戚からお祝い金をいただきました。
そのお金で何をしたか。
当時学生の必携だったヘッドホンステレオも買えたでしょうし、
お洒落だったらデザイナーズブランドのジャケットでも買えたかも知れない。
が、高校三年生の食いしん坊な天ぷら好きは、
そのお金を握り締め天ぷら屋に通ったのです。
三年生だから毎日授業は午前のみで終わり、友人はまだ受験勉強中だったから
一人で電車に乗り自転車に乗り弘前の街中に出て
天ぷら屋に入り天ぷら定食を頼む。
フトコロが潤っているもんだから、
追加で単品を注文したりなんかして。
3週間通い詰めました。毎日です。
弘前の天ぷら屋だけじゃ飽き足らず、電車に乗って青森市まで出かけ
(一時間に一本の電車で!)
果敢にもカウンターのある天ぷら屋へも、2、3度行きました。
お祝い金は見事に天ぷら代と電車賃に消えました。
(こんな使い方、自分の息子がしたら怒るでしょうか...?)
とても満ち足りた2週間でした。
(おいしいものに対価を払うということを私はこの時に学んだのか?
だとしたら、息子がこんなことをしても怒るべきではない?)
さすがに弘前の天ぷら屋のオヤジさんには顔を覚えられ、きっとその時に
大学合格の話もしたのでしょう、まいったのはそれから何年も何年もその店に行く度に
もう十年も二十年も経っているのに、その大学の話になってしまうこと。
(私の顔を見ればその大学の名前が出るもんだから、
いやあそこはもう中退して...と言うタイミングを失ったまま...)
久しぶりにその店の前を通ったので思い出しました。
いやいや、我が息子は誰に似てこんな食いしん坊かと不思議に思っていましたが、
やはり子は親の鏡だったんですね...。




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