小学生の息子には妙な習性があります。
デザートは必ず家族全員が食べ終わってから自分が食べ終わらないと
気が済まないのです。
おいしいものを人が食べているのに自分にはない状態が耐えられないようです。
必ずひと口は残しておいて、みなが食べ終わるのを我慢強くニコニコ待っているのです。
その息子が突然聞きました。
「ねえ、ケッコンってしなくちゃだめなの?」
「いや、しなくてもいいんだよ。したくなければ」
その答えを聞いて、ほっとしたように息子は言いました。
「じゃあケッコンしない!」
ふうん。何で?と訊くと
「だってケッコンすると美味しい物をいっぱい食べられないもん」
どうもこういうことらしい。
いつも息子たちに自分の分の'おいしいもの'を分けてしまう私を見ていて、
ケッコンして子どもでもできた日には
自分もそうしなきゃいけないんじゃないか。
自分のおいしいものの取り分は何分の一かに減ってしまうじゃないか。
だとしたらケッコンなんてするもんか。
ボクはおいしいものを独り占めしたいんだ。
独りでおいしいものを腹いっぱい食べてやるんだ!
食い意地にかけては誰にも負けない息子らしい発想。
呆れるのを通り超して感心。
彼はしばらく結婚はしないという意志を固めていました。
そして相変わらず、デザートを最後に食べ終わるように調整を怠りませんでした。
<つづく>




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