今住んでいる黒石市は私が生まれ育った弘前市から車で20分、
中学、高校時代には黒石から通っている同級生が何人もいたし
成り立ちからしても弘前城を中心とする津軽藩の一に属しているから
訪れた回数は少なくとも
まあ比較的よく知っている身近な土地だと、引越し前には思っていました。
ところが!
6年前の冬の初めに引っ越してきて、
初めての正月を迎え
仕事始めも過ぎ、
正月気分もすっかり抜けてきて
冬の寒さもピーク、という頃に、それはじわじわとやってきたのでした。
最初はジャスコの折込チラシだったか。
大きな見出しで「先着○○名様にマッコ贈呈!!」
マッコ・・・? 津軽弁でお年玉のことです。
正月もだいぶ過ぎているのに、こんな時期にマッコ?
その次くらいもチラシ。商店街だったかホームセンターだったか。
「お買い上げの方全員にマッコ箱!!」「マッコ抽選会!」
マッコ箱??マッコ抽選会??
しばらくそんなチラシがつづきました。
「ダブルマッコ!」「もれなくマッコ!」「ご予約の方全員にマッコ!!」
そしてとどめに市役所の広報。
「マッコ市開催。朝5時に第1回ふくまき。マッコ引換券あたります」
「早朝からやる市」らしいということくらいは推測できましたが
マッコ、マッコ、マッコの大攻勢に、さすがに無視できなくなって
会社で訊いてみました。
「知らないんですか??」逆に驚かれてしまいました。
何でも人口3万の黒石に、一年のうちでいちばん人の集まる日。
黒石ねぷたよりも??3大流し踊りの黒石よされよりも????
ますます謎のマッコ市。
そうときたらこの目で確かめないわけにはいきません。
当日、当時一歳の息子と家人と三人、えらく早起きして厚着して
まだ真っ暗な零下の世界、マッコ市に出かけました。
確かにこんな時間なのに人がちらほら。
商店街の中心に向っていくと、そのうちぞろぞろ。
田舎町の商店街、今どき昼間だってこんなにいない。
そしてざわざわ。確かにかなりの人出です。
よされより多いというのは大げさでしたが、
黒石の商店街にこんなに人がいるのを見たことがなかった上、
まだ薄暗い商店街に突然湧いて出たような人波のざわめきは
まるでアンゲロプロスの映画のようでした。
残念ながらふくまきは終わってしまったようでみるみる人波は退いていきましたし、
ぽつんぽつんと灯りのつく店はありましたが
なにしろ寒いので、たいやきだけ買って食べながら「ふうん、これがマッコ市かあ」と
ひとまずは納得してうちに帰り
また皆で布団にもぐりこみました。
次に目覚めた時はほとんどマッコのことなど忘れ、普段の日曜日。
のんびりフロ掃除をしたり軒下のつらら落としたり子どもと遊んだり。
そのうち乾電池か何か、小さいけれどどうしても必要な買い物を頼まれ
息子を連れてホームセンターへ。
乾電池1個とか電球1個とか、そんな買い物だったと思います。
レジでお金を払って商品を受け取って、・・・・と、
なんとみかん箱くらいのダンボールを渡されるではないですか!
思わず受け取ってしまってから
「いえ、乾電池だけですっ!!」
「いえ、マッコです」にっこり笑って返されました。
乾電池はポケットに入れ、「マッコ箱」を両腕に抱えて
狐につままれたような、いささかぼーっとした頭のままうちに帰り
無駄な買い物やおまけの嫌いな家人に叱られました。
さて、以来、2月の第一日曜日、マッコの日は要注意です。
こういう日に限って、ストックのないトイレの電球が急に切れたりするんですよね...。

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